眼精疲労の原因とは
眼精疲労の原因は主に2つです。目の痛みや引っ張られる感じの内部型の眼精疲労は、 主に眼球運動による筋肉の収束と弛緩、およびそれらによる目の周りの血行障害に起因します。
一方、外部型の眼精疲労は目の乾燥や刺激によって引き起こされます。
ここでは、これら眼精疲労を引き起こす原因について、紹介しています。
また、眼精疲労と似た症状を引き起こす目の疾患も多数あります。 目の疾患については、目の痛み・目の奥の痛みの原因をご参照下さい。
眼精疲労の原因
■直接の原因
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■生活環境
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眼精疲労の直接の原因
筋肉の緊張
眼精疲労は、目の筋肉の緊張によってもたらされます。目のピントをあわせる筋肉である毛様体筋の緊張が最も一般的な原因です。
この毛様体筋は近くを見る時は緊張し、遠くを見るときは弛緩するため、 眼精疲労の回復方法の一つとして、「遠くを見る」という方法が取られる場合があります。
また、ある一点やある距離に目が集中すると、そこで筋肉が固まってしまうため、 眼精疲労の原因となります。
裸眼視力の悪さ
乱視、遠視、近視、老眼といった裸眼視力の悪さは眼精疲労の原因となります。裸眼視力が悪い場合、目の焦点が合っていないため、 目の筋肉を緊張させ、物事をはっきり見ようとする傾向があります。
その結果、筋肉が必要以上にこわばり、目の痛みや頭痛といった症状が現れます。
眼の疾患
屈折異常やドライアイ、その他の目の疾患は眼精疲労の原因となったり、 眼精疲労と同様の症状を引き起こします。目の痛みや目の痛みを伴う病気については、目の痛み・目の奥の痛みの原因をご参照下さい。
コンタクトの使用
スペインのある研究者が114の眼精疲労に関わる論文を調べたところ、 コンタクトレンズ利用者はメガネや裸眼の人よりもより眼精疲労が多い、という統計結果があることを発見しました。コンタクトレンズ利用者の眼精疲労はおおよそ17~95%であるのに対して、 メガネや裸眼の人は10~58%でした。
また、コンタクトレンズ利用者はメガネや裸眼の人よりも、4倍もドライアイが多いと発表しており、 ドライアイは眼精疲労の主要な原因であることもわかっています。
眼精疲労の症状を加速させる原因
すべての原因において、対象や環境に費やす時間が多いほど、眼精疲労の症状は悪化していきます。これまで眼精疲労の症状が出たことがなかった人でさえ、 スマートフォンに何時間も夢中になった結果、眼精疲労の症状が出たり、 コンタクトレンズを着用し始めると、眼精疲労の症状が出たりします。
気付かず時間が立つ
仕事、特にデスクワークをしている人はもとより、 スマートフォンの普及によりデジタルデバイスの利用時間が増える傾向にあります。アメリカでは、成人の30%以上が一日に9時間以上、デジタルデバイスに費やしているという統計もあり、 これら費やす時間の多さが眼精疲労を加速させる要因と考えられています。
生活習慣
「一点を見つめる作業」、「集中を必要とする作業」は眼精疲労の原因となります。理由の1つは、瞬き回数が減るためです。
瞬きの回数が減る
人のまばたきの回数は人種や骨格、性別になどに影響を受けるものの、概ね20回/分~40回/分程度とされています。しかし、、PCやスマートフォン利用時は通常時と比較すると、大幅にまばたき回数を減少させます。
PCやスマートフォン利用時の瞬き回数と、通常のまばたき回数を比較すると、ひどい場合には、87~94%も減少しています。
「瞬き」には、目の筋肉を弛緩させ、眼精疲労を予防する働きがあることから、 PCやスマートフォンなどの凝視は、眼精疲労の大きな原因となってしまいます。
まばたきの回数
通常時 | 20~40回/分 | - |
読書 | 9.6±4.5回 /分 | 75~87%減少 |
PC、スマホ | 6.1±3.5回/分 | 87~94%減少 |
ゲーム | 5.2±3.7回 | 93~96%減少 |
一部参考:島崎潤:神経眼科20:2003年
なぜ、まばたき回数が減少するのか
理由は、人は長時間物事に集中すると、まばたきの回数が著しく減少するためです。特に集中力を必要とするゲームを画面が小さいスマートフォンで実施すると、著しくまばたき回数が減ってしまいます。
生活環境、光に関わる事柄、など
乾燥した空気、暖房は、ドライアイの原因となるため、眼精疲労の原因となります。また、ホコリは目の痛みやかゆみを引き起こし、眼精疲労の原因となります。
明るすぎる光や、コントラストの高い部屋も眼精疲労の原因となります。
米国規格協会によると、オフィスで働く人のPCモニターは、 本来必要とされる明るさの2~5倍に設定されている、と報告しています。
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