目の痛み・目の奥の痛みの原因とは
目の痛み、目の奥の痛みの原因は病気、生活習慣、物理的な外傷など様々です。特に角膜や目の奥には多くの神経があり、目の中に小さな汚れが入っただけでも目の痛みを伴います。
また、同じ痛みであっても病気や人によって、 「燃えるような痛み」、「ずきずきする痛み」、「刺すような痛み」など、表現は異なります。
ここでは、目の痛みや目の奥の痛みが、眼精疲労以外が原因ではないことを確認できるよう、 目の痛みや目の奥の痛みを伴う病気について紹介しています。
ご注意:目の病気の写真をいくつか掲載しています。見る人によっては気分を害する場合があるため、ご注意下さい。
目の痛みの原因
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眼瞼炎
まつげの根本にある油線の機能不全による眼瞼(まぶた)の炎症です。機能不全には閉塞と過剰の両方があります。目に関わる症状
まぶたの炎症、かゆみ、赤く腫れ上がる、、涙目、 羞明(眩しさに対する感度の上昇)、目の痛みなど。目以外の症状
まつげの根本に膿など。原因
マイボーム腺(まぶたの油を分泌する部位)の過剰分泌(脂漏性)、 マイボーム腺の分泌減少(乾き)、 まぶたにおける細菌(ブドウ球菌など)の増殖(ものもらいなど)、 寄生虫、アレルギー、ホルモン分泌の不均衡などが原因と考えられています。治療
眼瞼炎の原因により異なるものの、マイボーム腺の機能を正常に戻したり、 清潔にすることで治療できるため、医師へ行き原因を見極めることが重要になります。 2週間~1ヶ月以上放置すると重症化することがあり、治療が困難になります。 また、眼瞼炎はドライアイの原因にもなります。角膜異物、角膜擦り傷(擦過傷、潰瘍、糜爛)、角膜剥離
異物の混入、擦過、化学薬品への暴露などにより、 5層からなる角膜(上皮、ボーマン膜、実質層、デスメ膜、内皮)のいずれかに傷がついてしまう病気です。目に関わる症状
目の痛み、流涙、目の充血、大量の目やに、目のかすみ、角膜の一部が白く濁ったり、角膜に穴が開いたりします。原因
外傷、薬品混入、化学物質による損傷、目薬、感染症、コンタクトレンズの不正使用(つけっぱなし、未洗浄)、 また他の目の病気(ドライアイなど)などにより起こります。治療
病院での早期治療が必要です。ひどい場合には角膜移植が必要になる場合があります。角膜感染症
角膜が細菌、ウイルス、寄生虫などに感染し、角膜が溶けたり、角膜が白く濁ったりします。目に関わる症状
目の痛み、ぼやけ、目のかすみ、目の充血、かゆみ、羞明(光に対する感度の増加)、目やに、白く濁るなど。原因
角膜の感染(細菌、真菌、ウイルス、寄生虫)によって引き起こされ、 原因によって、細菌性角膜炎、真菌性角膜炎、ウィルス性角膜炎、アカントアメーバ角膜炎などと呼ばれます。コンタクトレンズの不正利用が最も多く、 中でも使用期間を超えてのコンタクトレンズの不正利用が最も多くなっており、 次いで定期検査の未受診などとなっています。
コンタクトレンズ以外にも、プールからの感染、目への異物の混入、ドライアイ、アレルギーなども原因となります。
治療
角膜感染症の治療は原因によって異なりますが、 原因が不明な場合は抗生物質の投与などの方法が取られる場合があります。 角膜の損傷を防ぐために、できるだけ早く治療を開始する必要があります。閉塞隅角緑内障(急性)
前房隅角と呼ばれる眼球前房の隅にある液体を排出する穴が閉塞し、眼圧が上がってしまう緑内障です。目に関わる症状
眼圧の上昇により激しい目の痛みや目の充血を伴います。目以外の症状
頭痛、悪心、吐き気、嘔吐など。原因
前房隅角が塞がり、液体を排出できなくなることが原因ですが、 前房隅角が塞がる原因は細胞の遊離などと推測されています。治療
眼内において液体が常に増え続け眼圧が上がるため、即時の治療が必要で、 2~3日で失明に至る危険性があります。ブドウ膜炎、虹彩炎
眼球のガラス体を覆う膜「ぶどう膜」(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症を起こす疾患の総称です。 ぶどう膜のうち、部位の名称を取って、虹彩炎症、毛様体炎、脈絡膜炎などとも呼ばれます。目に関わる症状
目の充血、羞明(光に対する感度の増加)、目の痛み、かすみ目、流涙、飛蚊症など。原因
ぶどう膜炎はぶどう膜に炎症を起こす症状の総称のため、原因は様々ですが、 肉芽腫性ぶどう膜炎は、サルコイドーシス、原田病、交感性眼炎、結核、梅毒、ヘルペスウイルス感染症、トキソプラズマ症、レプトスピラなど、、非肉芽腫性ぶどう膜炎はベーチェット病、強直性脊椎炎、関節リウマチ、Reiter症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病、糖尿病などが原因となります。治療
グルココルチコイドステロイドによる点眼あるいは経口摂取が主流で、 その他、感染の原因によっていくつかの抗生物質が投与されます。結膜炎(アレルギー性結膜炎)
まぶたの裏にある結膜が赤く充血して炎症を起こす病気です。目に関わる症状
目の充血、目やに、涙目、結膜の腫れ、目のかすみ、目の痛みなど。原因
ウイルスや細菌による感染症が主な原因ですが、 その他アレルギー反応、過剰な水やり、化学物質への暴露なども原因となります。治療
抗生物質の点眼薬をきちんと使用すると数日で治ります。強膜炎
眼球のガラス体を覆う膜「強膜」に炎症が起きている状態です。目に関わる症状
目の痛み、目の奥の痛み、充血、流涙、羞明、視力低下、失明。原因
関節リュウマチ、全身性エリテマトーデスなど、自己免疫疾患(自己の免疫が正常な細胞を攻撃してしまう病気の総称)が原因です。治療
元となる病気の治療のほか、抗炎症作用の薬、抗生物質、深刻な場合は手術などが必要になります。麦粒腫(ものもらい、めばちこ)
まつ毛の根もと、あるいは、まぶたにある皮脂腺(マイボーム腺)の化膿性炎症です。目に関わる症状
目の痛み、チクチクする痛み、充血、かすみ目、瞬きによる不快感、目の異物感など。目以外の症状
まぶたの炎症、まぶたのかゆみ、まぶたの化膿、など。原因
ブドウ球菌の感染が原因で、タオルの共有、菌のついた手で目を触る、栄養や睡眠不足などが原因となります。治療
治療には点眼薬、抗菌内服液、切開(膿を出す)など主流となります。霰粒腫(さんりゅうしゅ)
まぶたにある皮脂腺(マイボーム腺)のつまりによる炎症です。症状は麦粒腫と似ているものの、しこりだけで痛みがない場合が多くなっています。
目に関わる症状
目の異物感、光に対する過敏症、まぶたのしこりとそれに伴う痛み、原因
まぶたにある皮脂腺(マイボーム腺)のつまりによる炎症です。治療
清潔にして放置によって治る場合も多いものの、 抗生物質の点眼薬や軟膏、ステロイド注射、外科手術などによる治療も行われます。視神経炎
眼からの視覚情報を脳へ伝達する神経線維の炎症です。目に関わる症状
眼球が動くたびに、運動により視神経炎を起こし、目の痛みを発症します。 痛みは眼球だけでなく、目の後ろの痛みとして現れることがあります。 その他、色覚の喪失や目の点滅やちらつき、視力の低下、視野の一部が見えなくなる場合もあります。原因
最も一般的な原因は多発性硬化症であり、 その他、視神経脊髄炎、感染症、薬剤の影響、ライム病、帯状疱疹、自己免疫疾患、血管炎、ビタミンB12欠乏症と糖尿病なども原因となります。治療
原因となる多発性硬化症の治療そのものが難しいものの、 ステロイド系薬剤の利用などいくつかの対処療法が存在します。副鼻腔炎
副鼻腔(鼻の上部から鼻の奥にかけて存在する空洞)の炎症です。慢性の副鼻腔炎の俗称は蓄膿症とも呼ばれます。目に関わる症状
目の痛み、眼球の腫れ、目やに、目の充血など。目以外の症状
頭重感、頭痛、鼻汁、鼻づまり、副鼻腔付近の鈍痛、せき、喘息、口臭など。原因
ウイルス感染のほか、アレルギー、自己免疫の問題など。 その他、受動喫煙で副鼻腔炎になることもあります。治療
生理用食塩水や洗浄剤を用いた鼻洗浄が効果的です。 抗生物質による治療はあまり推奨されていません。涙道閉塞症
涙の排出がうまくいかずに、目がうるむ感じや涙があふれ出る症状(流涙症)を伴う病気です。目に関わる症状
過剰な涙目、また、目頭が赤く腫れ、うずくような痛みを伴う涙嚢炎を生じる場合もあります。原因
涙の排出経路である涙道管の詰まりが原因です。 涙道内に老廃物が蓄積し、次第に塞がることが多いようです。 高齢者では鼻涙管の内腔が狭くなる退行狭窄や、副鼻腔の疾患、炎症なども原因となります。治療
外科的基処置により、閉塞部位を開通させます。ドライアイ(乾性角結膜炎)
目を潤す機能の不均衡(産出の低下、排出・蒸発の増加など)による目の乾燥です。目に関わる症状
目が乾く、目の痛み、目の後ろの痛み、チクチクした痛み、疲れ目、 目のかゆみ、明るい光に対する不快感、感受性の増加、かすみ目、涙目、 目の不快感、目がごろごろする、眼精疲労など。原因
体質(先天性欠涙症、眼球乾燥症など)、瞬きの回数、コンタクトレンズの使用、生活環境(湿度、空気の汚れ、高地など)、年齢(特に閉経後の女性の増加、高齢者の増加)、他の疾患(糖尿病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、薬の副作用(鎮静剤、利尿剤など)、目の酷使(読書、コンピューターの使用、テレビなど)。治療
エアコンの使用の中止、ホコリを避ける、加湿器の利用、人工涙液や目薬の利用、 オメガ3脂肪酸の摂取、強膜レンズ(湿度を保ったり目の矯正を行うレンズ)の使用、 保湿メガネ(目の周りの領域を密封し、水分を保持するメガネ)の使用、手術など。遠視(近視)
目の調整力が働かずピントが正しく合わない状態です。目に関わる症状
目の痛み、目がかすむ、斜視、眼精疲労など。目以外の症状
頭痛、肩こり、光の眩しさ、認知力低下など。原因
先天性遺伝が大きく、その他生活環境(テレビ、ゲームなど)も原因となります。治療
遠視、近視とも眼鏡やコンタクトレンズで矯正できます。関節リウマチ
自己免疫疾患(自己の免疫が正常な細胞を攻撃してしまう病気の総称)の一つで、免疫が特に関節を攻撃し炎症を起こす病気です。目に関わる症状
目の痛み、目の奥の痛み、目の充血、視力の低下、目の乾き(ドライアイ)など。目以外の症状
関節の痛み・変形、疲労、体がだるい、手足が動かない、貧血、うつ病など。原因
感染(細菌やウイルス)、ストレス、喫煙、出産など。治療
原因療法はまだ未明ですが、各種症状を抑える治療薬、治療法が存在します。多発性硬化症(球後視神経炎)
中枢神経が正しく機能せず、脳や脊髄に多発的に硬くなっている部分が見られる難病の一つです。目に関わる症状
目の奥の痛み、物が二重に見える、目が揺れる、かすみ目、一過性の失明など。目以外の症状
感度・感覚の低下・麻痺、筋肉のけいれん、疲労感、うつ病、不安障害など。原因
原因は明らかになっていないものの、感染症、遺伝などと考えられています。治療
原因に対する治療法はないものの、各種症状を抑える治療薬、治療法が存在します。脳動脈瘤
脳の動脈の血管壁が弱くなった部分が膨みコブができる症状です。目に関わる症状
目の痛み、目の奥の痛み、目のかすみ、視野の一部欠損、物が二重に見える、失明。目以外の症状
頭痛、肩こり、体のしびれ、発語障害、感覚の低下(※無症状の方が多い。動脈瘤ができる場所に大きく依存。)原因
血管壁の厚さ、血流、血圧、年齢、先天性などが関係します。治療
手術による動脈瘤の閉塞が必要です。その他
糖尿病性網膜症
糖尿病の3大合併症の一つで、失明の最大の原因となっています。 糖毒性により血管が破れ出血したり、血管障害に細胞が壊死したり、病状が進行するまで自覚症状はほとんどありませんが、 目の症状として、目の痛み、目がかすむ、網膜腫脹(黄斑浮腫)などが現れます。群発頭痛
特に目の周りと目の奥に耐え難い痛みを繰り返し伴います。 痛みによりじっとすることが難しくなっています。 スマトリプタンや酸素療法が有益とされています。第六神経麻痺
第6脳神経麻痺は脳神経の機能不全で、 眼球が外側を向かず、正面を向いても眼球が内側に傾いてしまいます。 先天性や特発性の場合のほか、脳卒中、血管炎、多発性硬化症など特定の疾患後に発症することもあり、目の痛みのほか、弱視などが見られます。科学薬品への暴露
一部の家庭用洗剤にも配合される塩素や、殺虫剤の一種であるメタミドホスなどが目に入ると、目に激しい痛みを生じ、最悪の場合失明する危険性もあります。バセドウ病眼症
バセドウ病眼症の症状は、 眼瞼後退、眼球突出、目の痛み、眼瞼腫脹、複視など。 複視や視力低下が出現した場合はステロイドパルス療法や放射線治療が有効です。眼幼虫移行症
感染した寄生虫が体内を移動し、頭部(目付近や脳)に侵入した場合に目の痛み、 視野狭窄、視力の調整異常などの障害が引き起こされます。 生魚・生肉・生水などに寄生するアニキサスや、回虫などが原因となります。チロシン血症II型
血中チロシン濃度が高くなる病気で、先天性代謝異常が原因です。 日本国内患者数は20名程度。難病指定されています。鼻咽頭血管線維腫
鼻咽頭血管線維腫と呼ばれる良性の腫瘍が鼻腔の奥で成長し、 鼻血や鼻閉塞、難聴、嗅覚障害などを引き起こします。 まれに目の痛み、目の奥の痛みを発症します。慢性疲労症候群
圧倒的疲労症状により、日常生活を送ることが困難な病気です。 疲労以外の症状は様々ですが、目の症状としては、 涙目、充血、目のかゆみ、ドライアイ、目の痛みなどを発症する場合があります。クローン病
炎症性のある腸疾患。正確な原因は不明なものの、腹痛、下痢、発熱を発症します。 目への症状としては、ブドウ膜炎、強膜炎などとともに、 光への感受性の増加、目のかすみ、目の痛みなどを発症します。その他
薬の副作用、目薬、局所麻酔薬の毒性なども目の痛み、目の奥の痛みの原因となります。 その他目の痛みを伴う病気に甲状腺眼症、眼瞼下垂症などもあります。目の痛み・目の奥の痛みの原因 先頭へ |
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